2018年02月19日

仏像展示の集大成「仁和寺と御室派のみほとけ」展

東京国立博物館の「仁和寺と御室派」展。
筆者の専門にちょうど重なる領域であり、取材と紹介にも力が入ります。
こちらのサイトに連続で記事掲載されていますので、好きなところからご覧ください。特別に撮影した写真や動画があります。

「撮りたい欲」を解放! 仁和寺展の観音堂再現
 http://www.butuzou-world.com/blog_01/20180120/

秘仏を間近で!「仁和寺と御室派展」
 http://www.butuzou-world.com/blog_01/20180127/

秘仏かつ古仏、その魅力を存分に!「仁和寺と御室派展」
 http://www.butuzou-world.com/blog_01/20180203/

葛井寺の千手観音、東京に光臨
 http://www.butuzou-world.com/blog_01/20180217/


歴史ファンも、古仏ファンも、秘仏好きも、慶派マニアも、誰もが「これはすごい」となる稀有な展示ですよ!

 


posted by 宮澤やすみ at 12:15 | Comment(0) | 日本(仏像、考古) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月24日

撮影OKエリアも!優しい気持ちになる「ブリューゲル展 画家一族150年の系譜」

とても幸せな気分に浸れる展覧会。
そして、茹でたてのジャガイモとチーズに、ベルギービールが欲しくなる展覧会です(笑)。

昨年の「バベルの塔展」で好評を博したブリューゲル。今回はその続編といったところでしょうか。

「バベル塔」の画家、ピーテル・ブリューゲル1世を初代として、その後の子孫たちの画業が概観できます。

DSC_0185.JPG
中世からバロックを生きた画家一族150年

父の作品を複製することもあり、ブリューゲル一族のテーマは代々受け継がれていきます。
それは、農民の普段のくらしを題材にしていること。

いかにも乾燥してそうなフランドル地方の風景に、庶民の素朴なくらしぶりが描かれています。

brueghel3.jpg
画面のあちこちにストーリーや風刺が込められているので、よ〜く見てください

息子ピーテル2世作《鳥罠》をご覧あれ。
スケートに興じる子供たちのすぐそばに大きな穴! 人生楽しい時でもいつ何が起きるかわからないという意味があるそうです。

いっぽう、代が変わるごとに絵のタッチは変わっていきます。
ピーテルは、当時すでに巨匠だったヒエロニムス・ボスの影響が強く「二代目ボス」的な存在だったそうですが、その子や孫になるとタッチが変わってきます。

brueghel2.jpg
息子のヤン・ブリューゲル1世、孫のヤン2世は、花の静物画が代表作

筆者自身が一番気に入った作品がこれ。

brueghel4.jpg
ヤン・ブリューゲル2世《聴覚の寓意》

さまざまな楽器が並べられ、リュートを奏でる女性の横にはかわいらしい鹿が。鹿は聴覚が良いことからここに描かれました。
イヤホンガイドで、中世のリュート音楽を聴きながらこれを見たら、もう本当に引き込まれて、ここちよ〜い気分になってきますよ。

brueghel7.jpg
シカさんがこっちを見て、ちょ〜かわいい


初代ピーテル1世は、ひょうきんな性格だったそうで、思わず笑顔になるような絵が得意。
まだ当時の世の中は重税や戦争、疫病など、中世の重苦しさをひきずっていた頃、だからこそ、せめて絵の中では楽しいきもちでいたい、そんな心意気が伝わってきます。
そんな楽しさが見るものの心をほぐして、展示室を出るころには、やさし〜い気持ちになっていると思いますよ。

brueghel5.jpg
展示のメインである《野外での婚礼の踊り》こちらまで楽しい気分になってきます

また、東京展の2月18日までは、なんと2階展示室が撮影OK!
イヤホンガイドのやわらかい語りと音楽が、絵のたのしさを引き立ててくれます。
B5サイズでコンパクトな図録もいいですね。

brueghel6.jpg
婚礼の宴で、こっちも一杯飲みたくなるところへ、ミュージアムショップはベルギービールがずらり

ぜひお見逃しなく。



ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
(東京展)
2018年1月23日(火)〜4月1日(日)
月曜日、2月13日(火)
※ただし2月12日(月)は開室
東京都美術館


愛知展は4月24日から豊田市美術館
北海道展は7月28日から札幌芸術の森美術館
広島、福島にも巡回予定
公式サイト:
http://www.ntv.co.jp/brueghel/

posted by 宮澤やすみ at 16:06 | Comment(0) | ヨーロッパ(中世、ルネサンス) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月10日

気分は仏像同窓会!?「運慶展」

東京国立博物館の特別展「運慶」を取材してきました。
なにしろ運慶と慶派の有名な仏像が、あれもこれもギュッと一堂に。
なかなかの仏像パーティぶりでした。
仏像ファンなら必須の展示かと思います。

unkei1.jpg
無著さんと世親さんに歓迎されて、仏像パーティに招かれた気分

クライマックスは奈良・興福寺の諸像。

現在、興福寺の南円堂にある四天王は、もとは北円堂にあったとされるそうで、
展示では、北円堂の有名な像である無著と世親の両像といっしょに配置され、往時の北円堂の内陣を再現しています。

この、無著さんと世親さんのお二人、やはり素晴らしいですね。
四天王や菩薩のような派手さは一切無いものの、その圧倒的な存在感に改めて感動しました。
写真やネットでよく見る像ですが、やはり実物の感覚はぜんぜんちがいますね。

展示はまず「運慶のデビュー作」といわれる円成寺・大日如来から始まります。
20代の運慶が「やったるでぇ〜!」とがんばって造り上げた仏像。その気持ちに共感し、私はこの像をイメージした仏像ソング"Great Sunshine Boy"という歌を歌っています。
展示はそこから伊豆と横須賀の名作、願成就院と浄楽寺の仏像が並びます。私はこの両寺には何度となく訪問。母校である横須賀高校在学のとき、浄楽寺近くに友人が住んでいたこともあり、とてもなじみのあるお寺です。
そんななじみ深いお寺の仏像がこんな晴れ舞台に登場するなんて、なにかこう、地元の仲間がスターになったような誇らしげな気持ちになります。

unkei4.jpg
運慶作と目される興福寺の仏頭も独特の存在感

運慶ファミリーの作も展示。

運慶の父・康慶作、奈良の長岳寺の阿弥陀三尊は、玉眼を使った最初期の例として有名。お寺では暗い中で少し離れた位置からの拝観ですが、ここでは間近に拝めます。

運慶の子・康弁作、怪獣っぽい風貌だけどカワイイ天燈鬼、龍燈鬼は、展示の最後でお出迎えしてくれます。

unkei2.jpg
高野山から八大童子も東京出張(運慶作の6体のみ)


写真や旅先で何度も会ってきた仏像ばかりですが、こうして一堂に集まって再会を楽しむのもいいですね。
まさに気分は仏像同窓会。
「やあひさしぶり!」「最近どうしてた〜?」なんて会話が聞こえてくるよう(ハイ完全に妄想でございます)。

展示替えもあるので、また行ってみたい、今年最大の仏像展だと思います。

ちなみに、グッズ売り場では、「十二神将ジオラマ」が異彩を放っていました。
12sinshogoods.jpg

特別展「運慶」
2017年9月26日(火)〜11月26日(日)
月曜休館(10/9は開館)
東京国立博物館「平成館」にて
公式サイト
http://unkei2017.jp
 
posted by 宮澤やすみ at 02:03 | Comment(0) | 日本(仏像、考古) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする