2015年06月30日

「画鬼・暁斎展」極限まで振り切れる芸の幅

丸の内の三菱一号館美術館「画鬼・暁斎展」の内覧会に参加してきました。
(写真は特別に許可を得て撮影)
kyosai.jpg
精緻な背景も必見《大和美人図屏風》

宣伝では、化け猫などエキセントリックな絵がよく紹介されていて、実際、順路の後半ではかなりファンキーな絵が楽しめます。私のお気に入りは《放屁合戦図》です。バカバカしさ120%! 写真載せられないけど現物観に行って。
その一方で、かなり本格的な絵(本画というらしい)もたくさん展示されています。

狩野派はもちろん、さまざまな流派の絵を学んだ河鍋暁斎。展示をみると、
「これ、ほんとに同じ人が描いたの?」
と思うほど、じつにバラエティに富んでます。極彩色の大和絵、枯れた味わいの水墨画、落書きのような日記ノート(これが面白い!)
勝手な妄想ですけど、「暁斎は5人いた!」みたいな都市伝説でも生まれそうです(笑)

前期のメイン作は写真にあげた《大和美人図屏風》
これは、弟子であるジョサイア・コンドル(三菱の建物など設計した建築家)の目の前で描き上げたそうです。
コンドルさんは、河鍋暁斎から具体的な絵の技術を学んだそうで、水墨画の鯉の絵は暁斎とコンドルの作品を比べることができます。

よく、「弟子は師匠の仕事を見て盗め」なんて事をききますが、黙ってなにも教えないのではなく、ちゃんと具体的な理論やノウハウがあって、惜しみなく教えるものなんですね。
自分も小唄の師範をやってしばらく経ちますが、手の振りかたとか糸の押さえ方、リズムと音程の考え方などかなり具体的に教えます。
もっと師匠ぶって、黙って成長を待ったほうがいいのかなと思った時期もありましたが、禅寺の修行じゃあるまいし、今は教えられることはぜんぶ伝えるようにしてますね。
そのうえで、それ以上のことは見て盗んでもらうしかないですが。

さて、あらゆる絵のテクニックを習得している暁斎さん、早くから名声を手にしてはいましたが、庶民には妖怪や春画などの、遊び心たっぷりの「ポピュラーもの」、お武家さんには山水画や美人図など、格調高い「クラシックもの」と描き分けていた。
どちらの世界もしっかり仕事して、ちゃんとウケている。これはなかなか大変なことです。確かな技量がないとできないことです。

芸に生きる人間としてはとてもうらやましい形であります。
私みたいなパッとしない藝人と比べること自体おこがましいですし、絵と音楽のちがいもありますけど、こういうふうでありたいなと思うのでありました。
人間いろんな面がありますから、いろんなことやりたいですもんね。

kyosaicupsake.jpg
暁斎の骸骨をあしらった「暁斎ワンカップ」ミュージアムショップで販売
丸ノ内のオシャレエリアで飲んだくれたいw


今回は写真点数少なく、自分の話が多くて失礼しました。
下記サイトに画像たくさんあります。


画鬼・暁斎−KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル
2015年6月27日(土)〜9月6日(日)
三菱一号館美術館にて
http://mimt.jp/kyosai/
美術館サイト
http://mimt.jp/



【告知】
宮澤やすみの”小唄かふぇ”
神楽坂の人気カフェでの気軽な三味線ライブ。ゲストとの共演が見もの。
http://yasumimiyazawa.com/koutacafe


宮澤やすみと行く、花と美食の仏像ツアー
●7月
鎌倉:蓮の花咲く「光明寺」と古都鎌倉仏像探訪
東慶寺の美仏・水月観音。光明寺の山門内部拝観。ランチは老舗「日影茶屋」
●8月
神楽坂:神楽坂で特製「仏像フレンチ」のランチと都内仏像ウォッチング
江戸風情残る神楽坂の知られざる仏像拝観と東京大神宮昇殿参拝も。ランチはオリジナル「仏像フレンチ」
●9月
関西:関西3つの国宝と淡路島の重文・如来像4体に出逢う
驚嘆の美しさ・道明寺国宝十一面観音、
可愛さ抜群・鶴林寺観音菩薩
快慶の超大作・浄土寺阿弥陀三尊
ほか、個人では拝観しづらい淡路島の貴重な仏像を巡る旅!






 
posted by 宮澤やすみ at 13:42 | Comment(0) | 日本(中世-近代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする