2015年07月22日

フリーのミュージシャンは行くといい−「エリック・サティとその時代展」−

渋谷のBunkamuraミュージアムで開催の「エリック・サティとその時代展」の内覧会へ。
(写真は特別に許可を得て撮影)

音楽家が主役の展覧会という目の付け所がおもしろいですね。
Bunkamuraミュージアムさんは、いつも単なる美術展じゃなく、博物館的な見せ方もされていて、今回も楽しめました。

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エリック・サティは当時のアーティストにすごく好かれたようで、今回の展示にも時代が変革するなかで活躍したさまざまなアーティストが登場します。
その名前だけ挙げても、ピカソ、ジャン・コクトー、マン・レイ、ピカビア、ディアギレフなどなど、各ジャンルの巨匠ばかり。
そういう人たちって、同時代に生きてたんですよね。ひとりのアーティストだけにスポットを当てるのではわからない、その時代の動きがわかる群像劇になっているのです。

展示は、そうしたいろんな人たちとサティの交流の「証拠品」や、共作した出版物などが並びます。BGMはもちろんサティの音楽。
イラストと一緒に出版された楽譜を、イメージビデオにした上映もすごくいいです。
あとは《3つのジムノペティ》の自筆楽譜が初公開だそうで本展の目玉です。

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ピアノの生演奏がある日も。詳細はこちら

写真撮影厳禁だったけど、サティが音楽、コクトーが台本、ピカソが衣装&美術で、ディアギレフのバレエ団バレエ・リュスが上演した《パラード》の展示がすごくよかったです。
ピカソは、ニューヨーク、パリをイメージした登場人物の衣装を、すんごく無理のある(笑)、でもイメージぴったりのデザインに仕上げて笑えます。もはや衣装じゃなくて、ゆるキャラです。
絵だけでなく実際の舞台のようすもビデオ上映されてます。

時代は、後期印象派からキュビズム、ダダに移行しても、サティは若い芸術家に親われて、マン・レイと一緒に作品を作りました。それもまた見ごたえあります。

サティさんは生涯貧乏だったらしいけど、まさに芸術の都・パリのいちばんおいしい時代を生きたんですね。うらやましいです。

そして、貧乏でも今こうして展覧会が開かれるほどの存在になったサティ。
じつは筆者も、しがない音楽家の端くれでありますが、今回の展示から教わったのは、「ちがうジャンルの人と交われ」ということでした。
そうすることで、自分の音楽を、相手の芸術に利用してもらえる機会が増えます。音楽家同士で集まっても業界のグチを言い合って終わり(?)だもんね。

現代は、音楽が音楽だけでやっていける状況ではありません。べつのジャンルのアートやビジネスとコラボすることで、やっと仕事が成立する。残念なことではありますが、仕事として音楽をやるとしたらこういうことも考えないといけないですね。
ただ、サティさんは、そこまでしたたかな考えで交流をしていたのかどうか。まずひたすら貧乏だったので、後輩アーティストのところでご飯をご馳走になったりしてたようですが、それ以上のことはなかったんじゃないでしょうか。それよりもサティさんの人柄と音楽性に、周りの人が惹かれていったんでしょう。
なぜか人が集まってくる、なぜか人が魅了される。サティさんの特別な才能はそこにあったのかもしれません。
自分にもそういう才能があったらいいと思うのですが、なかなか難しいので、自分なりにがんばりたいと思います。


鑑賞後は、ミュージアム隣のカフェ・ドゥ・マゴで一杯やりたくなります。ほかにも7/20までですが、Bunkamuraは「パリ祭」と題してフランスの蚤の市や街頭演奏などパリの空気感をいっぱい演出。近隣のブラッスリーVIRONもコラボメニューがあったり、こうした催しも含めて、サティとその時代を満喫するのがいいんじゃないでしょうか。

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図録にはCDが付いてます



エリック・サティとその時代展
2015/7/8(水)−8/30(日)
開催期間中無休
Bunkamura ミュージアムにて
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_satie/index.html
美術館サイト
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_satie.html


 
posted by 宮澤やすみ at 16:51 | Comment(0) | ヨーロッパ(近代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする