2017年02月02日

元祖炎上キャラ?マリーアントワネット展

ヴェルサイユ宮殿が監修した「マリー・アントワネット展」が、来場30万人を突破したそうです。

この展示、マリーアントワネットの人となりが見えてとても面白いです。
展示の前半は、フランスの王家に嫁ぎ、華やかなセレブ生活の章。
(写真はプレス内覧会で許可を得て撮影)

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プライベートルームの再現も

ファッションや言動がいつも注目されて、人気の半面、批判も多かったようで・・・

誤解から始まった「首飾り事件」の顛末などは、まさにゴシップ炎上ネタ。それでまた注目を浴びるのだから、現代のセレブと変わらないです。

子育てを経て大人の魅力を兼ね備えたマリーですが、悲劇は突然訪れます。フランス革命です。

牢獄に幽閉されると、夫は処刑(家族の最後の別れのシーンを描いた絵が泣ける)。
それでもマリーは毅然とした態度を崩さず自分も処刑台に向かいます。幽閉時や処刑時に着用していた下着や靴がリアルです。

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いきなり牢獄に捉えられるマリー

展示前半の明るくハチャメチャなノリと、後半の重苦しい雰囲気の落差が激しすぎてクラクラします(笑)。
その暗い空気のまま展示が終わるので、気を付けてくださいね。

今月26日まで。夜もやっているから駆け込みでどうぞ。


「ヴェルサイユ宮殿≪監修≫ マリー・アントワネット展 
美術品が語るフランス王妃の真実」

2016年10月25日(火)−2017年2月26日(日)
休館なし
森アーツセンターギャラリーにて
http://www.ntv.co.jp/marie/

 
posted by 宮澤やすみ at 17:44 | Comment(0) | ヨーロッパ(近代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月06日

旅する気分で「風景画の誕生」展

Bunkamuraミュージアム「風景画の誕生」展がおもしろいです。
(写真は報道内覧会で許可を得て撮影)

ぼくはもともとヒエロニムス・ボスの絵が好きだったので、この展覧会で出展される《楽園図》が楽しみでした。
そして、実物を見たときの感激はやはりいいものでした!
公式サイトのこのページ中間部あたりに絵が出ていますが、やっぱり実物で見たほうがいいと思います。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien/point.html

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左に写ってるのがそう。だけど実物を見ないとはじまらない

さて、「風景画」が主役の本展ですが、じつはヨーロッパの美術はまず”人体”が基本なんですよね。ミロのヴィーナスとか、古代ローマの彫刻なんかに代表される、解剖学的な人体の美ですね。
だから、美術作品で風景や自然を題材にするという考え方があまりなかったそうです。

しかし、古い絵画にも風景の美しさが見られます。それは人物の背景に描かれた精緻な風景。

平面画で、風景は描きにくいものだったようで、ずっと遠くまで茫洋とつづく奥行きをどう表現するかが問題。
数学的な遠近法が確立される以前、もしくは遠近法が使われないオランダあたりの絵画では、
「色彩遠近法」というやり方で奥行きを表現してました。
赤系の暖色は前に出て見え、青系の寒色は引っ込んで見える。この特性を利用して、遠くのものを青系の絵具で描いたんですね。
展覧会では、「世界で最初に風景画家と言われた男」パティニールの風景画が展示されています。

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色あいで遠近感を表現
ヨアヒム・パティニール《聖カタリナの車輪の奇跡》1515年以前 油彩・板


ほかに面白いのは、月暦画。
一年12か月のくらしを描いた大きな連作で、ヨーロッパの田舎のくらしぶりが見えて面白いです。
イタリア北部の農村で、ブドウを収穫したり、秋には子羊を締めたり(かわいい子羊だけど、仕方ない!)、絹糸をつむいだり。
画面が大きいので、素朴なくらしの中に入り込んだような気分になりますよ。

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月ごとの暮らしぶりが大画面に

こちらの展覧会サイトに画像が出ていますが、
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien/
「風景を旅する」というキャッチコピーのとおり、風景と共に、ヨーロッパのくらしを体験するような気持ちになるんですよね。

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風景の中に描かれた人々の生活がおもしろい
(部分)ルーカス・ファン・ファルケンボルフ《夏の風景(7月または8月)》1585年 油彩・キャンヴァスより



展示後半は、風景画というジャンルが確立してからの作品。もうね、画面のほとんどが雲!とかね(笑)
それでも、忠実にヨーロッパの街を描いていて、ヴェネツィアの港の描写なんかほんとリアルでした。カメラ・オブスキュラという機器で正確に建物の位置関係を測ったそうで、写真が普及する直前の、風景画の白眉です。

観終わったあとは、無性にヨーロッパの旅に行きたくなる!
行けなくても、「今日の晩ごはんは、フレンチかイタリアンにしようかな」と思うような(笑)、そんな展覧会です。


そして、この「風景画の誕生」展の公式サイトがおもしろいです!
絵画の画像にマウスをもってくと拡大したり、見やすくわかりやすく構成されているので、一度ご覧あれ。


ウィーン美術史美術館所蔵 風景画の誕生
2015/9/9(水)−12/7(月)
10/5(月)のみ休館
Bunkamura ミュージアムにて
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien/
美術館サイト
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_wien.html
posted by 宮澤やすみ at 17:32 | Comment(0) | ヨーロッパ(近代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月22日

フリーのミュージシャンは行くといい−「エリック・サティとその時代展」−

渋谷のBunkamuraミュージアムで開催の「エリック・サティとその時代展」の内覧会へ。
(写真は特別に許可を得て撮影)

音楽家が主役の展覧会という目の付け所がおもしろいですね。
Bunkamuraミュージアムさんは、いつも単なる美術展じゃなく、博物館的な見せ方もされていて、今回も楽しめました。

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エリック・サティは当時のアーティストにすごく好かれたようで、今回の展示にも時代が変革するなかで活躍したさまざまなアーティストが登場します。
その名前だけ挙げても、ピカソ、ジャン・コクトー、マン・レイ、ピカビア、ディアギレフなどなど、各ジャンルの巨匠ばかり。
そういう人たちって、同時代に生きてたんですよね。ひとりのアーティストだけにスポットを当てるのではわからない、その時代の動きがわかる群像劇になっているのです。

展示は、そうしたいろんな人たちとサティの交流の「証拠品」や、共作した出版物などが並びます。BGMはもちろんサティの音楽。
イラストと一緒に出版された楽譜を、イメージビデオにした上映もすごくいいです。
あとは《3つのジムノペティ》の自筆楽譜が初公開だそうで本展の目玉です。

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ピアノの生演奏がある日も。詳細はこちら

写真撮影厳禁だったけど、サティが音楽、コクトーが台本、ピカソが衣装&美術で、ディアギレフのバレエ団バレエ・リュスが上演した《パラード》の展示がすごくよかったです。
ピカソは、ニューヨーク、パリをイメージした登場人物の衣装を、すんごく無理のある(笑)、でもイメージぴったりのデザインに仕上げて笑えます。もはや衣装じゃなくて、ゆるキャラです。
絵だけでなく実際の舞台のようすもビデオ上映されてます。

時代は、後期印象派からキュビズム、ダダに移行しても、サティは若い芸術家に親われて、マン・レイと一緒に作品を作りました。それもまた見ごたえあります。

サティさんは生涯貧乏だったらしいけど、まさに芸術の都・パリのいちばんおいしい時代を生きたんですね。うらやましいです。

そして、貧乏でも今こうして展覧会が開かれるほどの存在になったサティ。
じつは筆者も、しがない音楽家の端くれでありますが、今回の展示から教わったのは、「ちがうジャンルの人と交われ」ということでした。
そうすることで、自分の音楽を、相手の芸術に利用してもらえる機会が増えます。音楽家同士で集まっても業界のグチを言い合って終わり(?)だもんね。

現代は、音楽が音楽だけでやっていける状況ではありません。べつのジャンルのアートやビジネスとコラボすることで、やっと仕事が成立する。残念なことではありますが、仕事として音楽をやるとしたらこういうことも考えないといけないですね。
ただ、サティさんは、そこまでしたたかな考えで交流をしていたのかどうか。まずひたすら貧乏だったので、後輩アーティストのところでご飯をご馳走になったりしてたようですが、それ以上のことはなかったんじゃないでしょうか。それよりもサティさんの人柄と音楽性に、周りの人が惹かれていったんでしょう。
なぜか人が集まってくる、なぜか人が魅了される。サティさんの特別な才能はそこにあったのかもしれません。
自分にもそういう才能があったらいいと思うのですが、なかなか難しいので、自分なりにがんばりたいと思います。


鑑賞後は、ミュージアム隣のカフェ・ドゥ・マゴで一杯やりたくなります。ほかにも7/20までですが、Bunkamuraは「パリ祭」と題してフランスの蚤の市や街頭演奏などパリの空気感をいっぱい演出。近隣のブラッスリーVIRONもコラボメニューがあったり、こうした催しも含めて、サティとその時代を満喫するのがいいんじゃないでしょうか。

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図録にはCDが付いてます



エリック・サティとその時代展
2015/7/8(水)−8/30(日)
開催期間中無休
Bunkamura ミュージアムにて
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_satie/index.html
美術館サイト
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_satie.html


 
posted by 宮澤やすみ at 16:51 | Comment(0) | ヨーロッパ(近代) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする